イメージ サービスは、画像のコレクションを処理して、広く共有する方法です。画像およびラスター プロダクトを格納、処理、解析、および共有するための柔軟性とスケーラビリティを大幅に向上します。
イメージ サービスは柔軟かつ堅牢で、ニーズと用途に合うさまざまなタイプのデータで構成することができます。複数の入力画像がある場合、選択して 1 つのイメージ レイヤーをイメージ モザイクまたは画像コレクションとして作成するか、画像入力ごとに 1 つのイメージ レイヤーを作成することができます。また、単一の画像入力から 1 つのイメージ レイヤーを作成することもできます。
イメージ サービスは、複数のバンドまたは次元がある単一の画像から作成でき、サイズが小さい場合も大規模な場合もあります。大量の同様の画像から作成できます。イメージ サービスは、それぞれが異なるメタデータと取得日を含む州または郡をカバーするオルソモザイクのコレクションで構成されます。オルソ幾何補正されたモザイクとして簡単にアクセスできるようにする必要がある、航空機またドローンによって直接キャプチャされた大量の画像を含むこともできます。さらに、個別の画像およびメタデータにアクセスすることもできます。イメージ サービスは大量の数値地形モデルまたは国や世界をカバーする衛星画像のアーカイブを含むこともできます。多次元ラスターを持つデータ科学者は、結果に興味がある多くのユーザーによって対話的に解析および共有されるようにイメージ サービスを設定することができます。
このような場合、イメージ サービスは、デスクトップまたは Web アプリケーションを使用して接続しているユーザーが画像およびラスターに簡単にアクセスできるようにします。ユーザーがイメージ サービスにアクセスすると、ArcGIS Image Server は必要な処理をリアルタイムで実行し、必要な画像を動的にモザイク化します。これらのアプリケーションは、シームレスなモザイクの画像にアクセスするか、各画像データのメタデータを検索することで、選択したデータのみを表示するか、データセット全体で処理を実行して、相違点を見つけたり分類を実行したりすることができます。これらのプロセスには、再投影、オルソ幾何補正、クリップ、複雑な画像処理アルゴリズムの適用などが含まれます。
これらの操作は、1 台のコンピューターまたは複数のコンピューターの配置を構成する分散処理、格納、および共有環境で実行されます。さらに、ラスター解析の配置で、ラスター解析ロール、イメージ ホスティング サーバー ロール、分散ラスター データ ストアなどさまざまなイメージ サーバー コンピューターにさまざまなロールを登録して割り当てることができます。
イメージ サービスには、次のような数多くのメリットがあります。
- ArcGIS Pro、Web マップ クライアント、他のデスクトップ、モバイル アプリ、OGC Web Map Service (WMS)、Web Coverage Service (WCS)、Web Map Tile Service (WMTS)、および Keyhole Markup Language (KML) サービスのホストされた画像とラスター データにすばやくアクセスできます。どのユーザーまたは関係者がどのイメージ サービスにアクセスでき、何を行えるかを制御できます。
- 大量の画像コレクションを管理し、モザイク データセットにコンパイルして、体系的で簡単な方法で更新を提供します。
- ダイナミック イメージ サービスを使用して、画像をリアルタイムですばやく処理します。ダイナミック イメージ サービスを使用すると、前処理されたデータを格納および保持しないで、1 つのソースから複数の画像プロダクトをオンデマンドで作成できます。処理する画像に対する関数やパラメーターは変更することができ、画像を移動およびズームすると結果がリアルタイムに表示されます。
このように保有画像にアクセスできるようにすることで、組織全体のユーザーが、画像とラスター データを画像探索、解析、マップ作成のワークフローに適用できるようになります。
イメージ サービスの作成
イメージ サービスは、元の画像、処理済み画像、および付加価値ラスター プロダクトが公開されるときに作成されます。イメージ サービスが公開されると、クライアントは、ArcGIS Server 接続を使用するか、REST を介してイメージ サービスに接続できます。WMS または WCS ケーパビリティでイメージ サービスを公開して、クライアントは幅広い種類のアプリケーションおよびデバイスからイメージ サービスにアクセスできるようにすることもできます。
イメージ サービスを作成するとき、使用方法と共有方法を検討することが重要です。検討すべき基本的な事項には次のものがあります。
- イメージ サービスの構成は 1 つのラスター データセットか複数のラスターか 複数のラスターの場合、イメージ モザイク、画像のコレクション、または複数のイメージ レイヤーか
- ラスター データを GIS レイヤーの画像背景として表示するか、または解析の入力として表示するか
- 画像には複数のバンドがあるか、または拡張が必要か
- 画像処理が必要か
イメージ サービスを作成するときに検討すべき重要な要因の詳細については、「イメージ サービスの準備」をご参照ください。
イメージ サービスの公開
イメージ サービスを使用して、Web サービスを介して画像とラスター データを提供し共有できます。これにより、データが Web クライアント、デスクトップ アプリケーション、フィールド アプリで使用できるようになります。
イメージ サービスの公開者は、イメージ サービス (動的表示など) の使用者に提供される機能を決定し、画像処理用のテンプレートを定義します。
イメージ サービスの準備、公開、処理の詳細については、「イメージ サービスの重要な概念」で始まる一連のトピックをご参照ください。
イメージ サービスのキャッシュ
イメージ サービス キャッシュにより、クライアント アプリケーションでのイメージ サービスのパフォーマンスが向上します。キャッシュされたイメージ サービスは、ArcGIS Server で画像を動的に生成する必要がないため、すばやく表示することができます。その代わりに、イメージ タイルが生成され、インデックスが付けられて、サーバー キャッシュ ディレクトリに格納されます。サーバーはリクエストがあると、画面移動の位置と拡大縮小レベルに応じて、これらの画像タイルを分散します。
イメージ サービスをキャッシュすると、用途に応じてアクセスできるイメージ サービスが作成されます。1 つの用途は、タイル化されたサービスとして、画像に最も高速にアクセスすることです。もう 1 つの用途は、クエリやダウンロード、個々のアイテムへのアクセス、処理や解析での使用などのために、データにアクセスできるようにすることです。
キャッシュ イメージ サービスの準備と作成の詳細については、「イメージ サービスのキャッシュとは」で始まる一連のトピックをご参照ください。
ワークフローを含むイメージ サービスのキャッシュに関するその他のリソースと詳細については、「キャッシュされた画像の提供」と「キャッシュ イメージ サービスの作成」をご参照ください。