Scene Viewerは、WebGL をサポートしているデスクトップ Web ブラウザーで使用できます (WebGL は、3D グラフィックスを描画するための Web の技術標準です)。Scene Viewerで最善の結果を得るために、ブラウザーおよびコンピューター ハードウェアがScene Viewerの要件を満たしていることを確認します。最新バージョンの Chrome または Firefox の使用もお勧めします。現在、Scene Viewerは、ArcGIS Enterprise 用のモバイル デバイスではサポートされていません。
ブラウザーの要件
Scene Viewerは、WebGL に対応したデスクトップ Web ブラウザーを必要とします。一般的なデスクトップ ブラウザーの最新バージョンには、WebGL が組み込まれています。お使いのブラウザーで WebGL が有効になっているかテストするには、get.webgl.org を開きます。WebGL 関連の問題のトラブルシューティングについては、「WebGL のトラブルシューティング」をご参照ください。WebGL は進化を続けるテクノロジであり、各ブラウザー バージョンには、Scene Viewerが最適なパフォーマンスを得るための改善機能が導入されています。したがって、ブラウザーが常に最新の状態であることを確認してください。Scene Viewerを使用するには、お使いのブラウザーでハードウェア アクセラレーションが有効になっている必要があります。
ヒント:
- 最適なパフォーマンスを得るには、64 ビット ブラウザーを使用することをお勧めします。
- シーンのパフォーマンスまたは品質を最適化するには、ブラウザーでパフォーマンス品質設定を調整します。
Scene Viewer は、次の Web ブラウザーをサポートしています。
- Google Chrome
- Mozilla Firefox
- Microsoft Edge*
- Safari 11 以降
*このブラウザーでの WebGL の実装はメモリ使用量の多いアプリケーション向けに最適化されていないため、特定のシーンを開いた場合に信頼性の低い動作になることがあります。
注意:
*Internet Explorer (IE) 11 の使用は、このリリースでは非推奨になりました。Esri は、上記の他のブラウザーのいずれかに移行することを強くお勧めします。 現在のリリースでは Internet Explorer 11 が引き続きサポートされていますが、Internet Explorer 11 の使用は一般的にお勧めしません。サポートも今後のリリースで廃止される予定です。
IE 11 には次の問題があることが知られています。
- WebGL の実装はメモリ使用量の多いアプリケーション向けに最適化されていないので、特定のシーンを開くとき、または大きいデータセットを描画するときに、信頼性の低い動作になる可能性があります。
- IE 11 は、WebGL 0.94 のみを使用して Scene Viewer をサポートします。それより前の WebGL は最新バージョンでないため、Scene Viewerに使用できません。WebGL のバージョンは、www.webglreport.com でご確認ください。
- Scene Viewer には、既知のメモリの問題があります。パフォーマンス上の問題が発生した場合は、ブラウザーを閉じ、再び開いてください。ページを再読み込みして新しいタブを開いても、メモリは消去されません。ブラウザーを閉じ、再び開く必要があります。
- IE 11 は WebAssembly をサポートしていないため、クライアント側の投影エンジンが正常に機能しません。これは、WGS84 または Web メルカトル以外の空間参照が指定された場合に、すべてのクライアント側の自動再投影にも影響を与えます。
- IE 11 は、SVG をサポートしておらず、SVG のパスを表示しません。
Microsoft は、Microsoft Edge を使用することを推奨しています。
WebGL の追加要件
基本的な WebGL のサポートに加えて、Scene Viewer には WebGL に関する次の要件があります。
- 高精度フラグメント シェーダー
- 頂点シェーダー サンプラー
- uint 頂点インデックス (OES_element_index_uint extension)
www.webglreport.com で、ブラウザーがこれらの要件を満たしていることを確認できます。
ハードウェア要件
最高のパフォーマンスを実現するために、ブラウザーが 8 GB 以上のシステム メモリおよび 3D 用の最新のグラフィックス ハードウェアを備えることをお勧めします。
最小限の要件は、最低 512 MB のビデオ メモリを搭載した高性能のグラフィックス カードです。最適なパフォーマンスを得るには、1 GB 以上のビデオ メモリを搭載したグラフィックス カードを使用することをお勧めします (特に、大きなシーンやメモリの消費量が多い 3D シーンを操作する場合)。スタンドアロンの高性能グラフィックス カードは、通常、内蔵されたグラフィックス カードよりも高性能です。
モバイル要件
Scene Viewerは、次のモバイル サポートを提供します。
- iPhone 8、iPhone XS、iPhone 11、iPad Pro 上の iOS の Safari
- Android Chrome (Samsung S8、Samsung S9、Samsung S10、Samsung Tab S3、Samsung Tab S4)
上記以外のモバイル デバイスを使用している場合、デバイスは 2 GB 以上の RAM (4 GB を推奨) と強力なマルチコア プロセッサおよび GPU を備え、Android または iOS の最新バージョンがインストールされている必要があります。
Web スタイルのインストール
Esri では、シーン内のポイントをシンボル表示する 3D モデル セットを増やしています。その結果、デフォルトでは限られた 3D モデル セット (基本的な形状) がシンボル ギャラリーにインストールされます。ArcGIS Enterprise 10.7.1 以降で、シンボル ギャラリーに植生などの完全な 3D シンボル セットを取得するには、Web スタイル セットアップをインストールしてください。Web スタイルは、My Esri からダウンロードできます。
ArcGIS Enterprise Builder を使用して ArcGIS Enterprise をインストールする場合は、Web スタイルが自動的にインストールされます。そうでない場合は、他のすべての ArcGIS Enterprise コンポーネントをインストールしてから、Web スタイルをインストールします。
レンダリングに関する問題のトラブルシューティング
Scene Viewerが正しく実行されるには、最適なブラウザー機能が必要です。Scene Viewerが、ブラウザーのレンダリングに不具合があることを検出した場合、Scene Viewerを読み込むときに問題が発生したことを示すメッセージが表示されます。次のエラー メッセージにより、問題の性質に関する詳細がわかります。
また、Scene Viewerが開くときにエラー メッセージが表示されなくても、レンダリングの品質に不具合がある場合があります。
レンダリングに、ブラウザーがハードウェア アクセラレーションを使用していません。
Scene Viewerがブラウザーでハードウェア アクセラレーションを検出しない場合、このメッセージが表示されます。ハードウェア アクセラレーションが有効になっていない理由としては、一般的に、ブラウザーの設定が適切に構成されていないか、ブラウザーでグラフィックス カードがブラックリスト登録されていることが考えられます。
ブラウザーの設定におけるハードウェア アクセラレーションの構成
各ブラウザーには、独自の構成オプションがあり、ハードウェア アクセラレーションが無効になっている場合があります。ブラウザーのレンダリングでハードウェア アクセラレーションを有効にするには、以下をご参照ください。
Chrome の場合、以下を実行します。
- [設定] > [詳細設定] > [システム] の順に選択します。
- [ハードウェア アクセラレーションが使用可能な場合は使用する] 切り替えキーをクリックして、グラフィックス カードのレンダリングをオンにします。
- ブラウザーを再起動します。
Firefox の場合、以下を実行します。
- [ツール オプション] > [高度な設定] > [参照] の順に選択します。
- [ハードウェア アクセラレーション機能を使用する (可能な場合)] オプションをオンにします。
- ブラウザーを再起動します。
IE 11 の場合、以下を実行します。
- [詳細設定] をクリックします。
- [GPU レンダリングではなく、ソフトウェア レンダリングを使用する]オプションをオフにします。これがオンになっていて、使用不可である場合は、グラフィックス カードまたはビデオ ドライバーを更新する必要があります。
- コンピューターを再起動します。
ブラウザーによるグラフィックス カードのブラックリスト登録
一部のブラウザーでは、特定のグラフィックス カードがブラウザーの要件を満たさないと判断され、そのグラフィックス カードがブロックされます。このような場合、グラフィックス カードをブロックするというブラウザーの判断を回避することもできます。これは必ずしも推奨される操作ではありませんが、この操作により、Scene Viewerの問題が解決する場合があります。
Chrome の場合、以下を実行します。
- アドレス バーに「chrome://flags」と入力します。
- [Override software rendering list] で、[Enabled] をクリックします。
- ブラウザーを再起動します。
Firefox の場合、以下を実行します。
- アドレス バーに「about:config」と入力します。
- 検索バーに「webgl.force-enabled」と入力します。
- 値を [true] に設定します。
- ブラウザーを再起動します。
ブラウザーが WebGL をサポートしていない可能性があります。
Scene Viewerがブラウザーで WebGL を検出しない場合に、このメッセージが表示されます。これを確認するには、get.webgl.org に進みます。ブラウザーで WebGL が使用可能な場合は、回転キューブが表示されます。表示されない場合、Web サイトは、ブラウザーが WebGL をサポートしていないことを示しています。回転キューブが表示されない場合、以下を実行できます。
- ブラウザーの設定で、WebGL が有効であることを確認します。
- ブラウザーおよびハードウェアがScene Viewerの要件を満たすことを確認します。
Scene Viewerは開くが、レンダリングの品質に問題がある
Scene Viewerが開くときにエラー メッセージが表示されなくても、問題がある場合があります。次に、例を示します。
- すべてのアイコンとラベルが欠落していて、別のブラウザーまたはデバイスに表示される。
- レンダリングのアーティファクト (たとえば、大気および影の黒色のレンダリング、ドットのあるジオメトリのレンダリング)。
- シーン内の重大な色の問題が存在する (たとえば、すべての色が逆変換される、すべての色が緑または黒にレンダリングされる)。
上記のいずれかの問題が発生した場合、以下を確認します。
- ブラウザーでハードウェア アクセラレーションが有効になっている。
- ブラウザーで WebGL が有効になっている。
- ブラウザーおよびコンピューターがすべてのScene Viewerの要件を満たしている。
このような確認をしても、まだScene Viewerで問題が発生する場合は、別のブラウザーに切り替えてください。あるいは、ビデオ ドライバーを更新する方法もあります。ベンダーの Web サイトを参照して、最新のドライバーをダウンロードすることをお勧めします。最終的に、上記の操作をすべて実行しても問題が解決しない場合は、GeoNet フォーラムに問題を報告するか、Esri Technical Support にお問い合わせください。