タイルまたはフィーチャを使用する場合

利用可能なレイヤーの中で、どのタイプのレイヤーをマップで使用するかを決定する必要があります。それぞれのレイヤー タイプは高速な表示、複雑なクエリ、複数ユーザーによる編集など、異なる機能を備えています。適切なタイプのレイヤーを選択することで、マップのメッセージを効果的に伝えたり、需要が多いマップを読み込むアプリの速度を向上させたり、マップ ユーザーによるコンテンツの提供を可能にしたりできます。

公開権限を持っている場合は、自分自身のニーズを満たすレイヤーのタイプを作成できます。持っていない場合は、自分自身の要件を満たす既存のレイヤーを検索する必要があります。グループ、組織、ArcGIS Living Atlas of the World などのソースでコンテンツを検索するときは、次の点に注意してください。

• タイル レイヤーでは、データが定義済みのタイル イメージに格納されるため、大規模データセットの高速表示がサポートされています。多くの場合、これらのレイヤー タイプはマップで参照レイヤーとして使用され、編集することはできません。

  マップに含めるフィーチャが広範なエリアをカバーしているか、複雑である場合は、ホスト タイル レイヤーまたはホスト ベクター タイル レイヤーを使用すると、マップでフィーチャの描画にかかる時間を短縮できます。さらに、キャッシュ イメージ レイヤーまたはマップ イメージ レイヤーを使用して、必要なフィーチャを表現することもできます。これらのレイヤーでも定義済みのデータ キャッシュが使用されます。

• フィーチャ レイヤーは、名前が示すように、フィーチャとその属性を中心に表現されます。たとえば、フィーチャ レイヤーでは、フィーチャ属性に基づいてさまざまなスタイルをレイヤーに適用したり、レイヤーにフィルターを適用して特定のフィーチャのみを表示したり、共通の属性に基づいてポイントをクラスタリングしたり、属性情報を表示するポップアップを構成したりできます。所有者がこのレイヤーを有効にすると、ユーザーがデータを編集できるようになります。

  フィーチャ レイヤーはタイル レイヤーよりも柔軟性および操作性に優れていますが、これには代償が伴います。ほとんどのフィーチャ レイヤーの機能はフィーチャ属性へアクセスすることで実行可能になるため、アプリは高頻度でソース データと通信する必要があり、結果として描画時間が遅くなる可能性があります。しかし、作成するマップの目的が一般ユーザーによるデータの収集/更新を可能にすることであったり、特定の属性に基づいてフィーチャをシンボル表示したりする場合は、マップでフィーチャ レイヤーを使用する必要があります。

タイル レイヤーとフィーチャ レイヤーはオフライン マップで使用できます。ただし、レイヤーとマップでオフラインの使用を有効化する必要があります。

需要が多いマップの最適化

所有しているマップが組織内の大半のユーザーによって利用されている場合、可能な限り速く読み込まれるようにマップを構成したいことがあります。 これらのガイドラインに従ってマップのレイヤーを最適化すると、高負荷の操作 (数千のクライアントが一度にアクセスしたときなど) を実行したときにマップを読み込む時間が削減されます。

• データを頻繁に更新する必要がない場合は、ホスト フィーチャ レイヤーではなくホスト タイル レイヤーを使用します。タイルを使用すると、大規模なデータセットを最も高速に描画することができます。
• データ内でポイント フィーチャの数が 4,000 未満であるか、ラインまたはポリゴン フィーチャの数が 2,000 未満であり、データを編集するのがユーザー自身のみである場合は、データをフィーチャ コレクションとしてマップに追加します。ただし、これは、頻繁に更新する必要のあるデータや複数の編集者が必要なデータを管理する場合には効率的な方法ではありません。
• データ内に 4,000 を超えるポイント フィーチャまたは 2,000 を超えるライン/ポリゴン フィーチャが存在する場合や、データのサイズが 10 MB を超えている場合は、データをホスト フィーチャ レイヤーとして公開し、編集が無効化されていることを確認します。編集を有効化すると、ホスト フィーチャ レイヤーのすべてのジオメトリを含めるためにブラウザーのリクエストが増加するため、レイヤーの描画速度が低下します。レイヤー所有者、組織サイトの管理者、レイヤーを共有しているアイテム更新機能を持つグループのメンバーは、ほかのユーザーに編集を有効化しなくても、編集が有効化されたホスト フィーチャ レイヤーを開くことができます。
• ホスト フィーチャ レイヤーを、Web 表示用に単純化されたフィーチャ コレクションとしてエクスポートすることができます。多少精度が低下しますが、描画速度が最適化されます。Web 表示用に単純化されてエクスポートされたフィーチャ コレクションは、Web アプリでのみ動作します。デスクトップ アプリやモバイル アプリでは動作しません。
• ホスト フィーチャ レイヤーのフィルターを削除します。一部のフィーチャのセットを別のレイヤーとして管理することが重要である場合、フィルター処理されたデータの各セットをそれぞれ個別のレイヤーとして公開します。

レイヤーへの異なる構成の適用

レイヤーの所有者は、タイトル、表示範囲、スタイルなど、レイヤーと一緒に保存されるプロパティを定義します。必要なデータを含むレイヤーのタイプを見つけて、マップに追加したら、独自の構成をレイヤーに適用し、マップに表示する内容をカスタマイズする必要があるかどうかを決定できます。これらのプロパティの多くはマップ内で直接変更できますが、同じレイヤーをマップで使用し、その一方で、異なるスタイルやフィルターをそのレイヤーに適用する場合もあります。このような場合は、マップ内のレイヤーのコピーを作成し、各コピーの設定を変更します。

たとえば、マップを使用して、市街地の事業を表すとします。事業拠点、事業名、業種、および賃借権と事業許可に関する情報を含む 1 つのホスト フィーチャ レイヤーがあります。また、それぞれ異なる期間における市街地を表す別のレイヤーを表示します。業種によって異なるシンボルを使用するようにフィーチャ レイヤーのスタイルを変更します。次に、レイヤーの 3 つのコピー (期間ごとに 1 つずつ) を作成して、「businesses 1900 to 1939」、「businesses 1940 to 1989」、および「businesses 1990 to present」という名前を指定します。その期間の事業情報を表示するように、保存されたコピーごとにフィルターを適用します。これで、同一のレイヤーをマップ内で 3 通りの方法で表現できるようになりました。

ほとんどのレイヤー タイプでは、コピーした時点で、そのコピーは元のレイヤーのデータを参照します。コピーを作成するだけの場合とコピーを保存する場合の詳細については、「レイヤーのコピーと保存」をご参照ください。

ホスト ベクター タイル レイヤーへの独自のスタイルの適用

Map Viewerを使用すると、マップ内でベクター タイル レイヤーのスタイルを変更できます。これは、マップ内でフィーチャ レイヤーのスタイルを変更する場合と同じで、スタイルはその特定のマップ内でのみ適用されます。

同じスタイルを他のマップで使用できるようにして、そのスタイルをマップごとに再定義せずに済むようにしたい場合は、レイヤーのコピーを保存し、そのレイヤーのアイテム ページからレイヤーのスタイル ファイルをダウンロードし、スタイルを編集してから、新しいスタイルを使用するようにホスト ベクター タイル レイヤーのコピーを更新します。

Map Viewerでスタイルを変更する手順およびスタイル ファイルの変更手順へのリンクについては、「ベクター タイル レイヤー スタイルの更新」をご参照ください。

異なる構成を適用するために作成するコピーと同様に、ホスト ベクター タイル レイヤーのコピーは保存後も元のベクター タイルを参照します。ホスト ベクター タイル レイヤーの所有者がそのレイヤーを削除するか、ユーザーとの共有を停止すると、ユーザーはデータにアクセスできなくなります。同じように、ホスト ベクター タイル レイヤーの所有者が、新しいスタイルを含まないレイヤーにレイヤーのコンテンツを置き換えると、ユーザーがコピーに定義したスタイルは機能しなくなります。